一幸01。冬眠。

ひと先ず、冬眠に入る。

動物は、木枯らし吹く季節になると、厳しい冬の到来を感じ取り冬眠に入る。この冬眠、自らの生命活動を弱める、体に纏わりついているバクテリア、ウイルス、寄生虫などの寄生者を一掃し,体を手入れする積極的行為とか。

我らもどうやら、冬眠が必要のようである。

それも、我らの冬眠は動物たちと違って、春になっても、もう、のこのことは戦いの場には戻らない、そんな覚悟の冬眠である。

我らの冬眠は、現役時代に身に纏わりついた垢をそぎ落とし手入れて、心体を身軽にする行為。数十年、社会に身を置きしゃむに働てきた身、ガタきているのは体だけではない。心も否応無しに痛み汚れ醜くなってきている。

それに、その先にはさらなる老いと最後が間違いなく待つ、そんな時間を過ごすための徹底した手入れである。

この冬眠で、私がやってのけた垢落としをあげてみよう。

10の垢落

1.忘れる。
“七忘”まではいかないが、儀礼・義理の冠婚葬祭から遠ざかる。今までの社会とつながりの棚卸し、煩雑な社交関係からの脱出し、断固して自分の時間を確保する。

2.こっそり逃げ出す。
引退したにも拘らず、相変わらず現役時代の組織、地位とかの冠を引きずっている。そんな群れからの脱出をはかる。

3.世間から離れる。
騒がしい世間を流し込んでくる新聞・TVから、可能な限り遠くに離れる

4.腕時計を外す。
気ままに自分の時間の流れに身をおくには腹時計,日時計が一番良いようだ。

5.スーツ、ネクタイを捨てる。
ジーンズ、Tシャツ、ジャケトをベースとした新しい装いに身を包む。貧乏くさいはみともないし、安物は憐れ、ここは一番上質なカジュア・スマートで決める。

6.髪をきり落とす。
短髪にし、あご髭を加える。清潔、お洒落、洒脱、シンプルと決めた新しい装いに合わせる。

7.体重12kg削ぎ落とす。
健康をデザインする。気力や色気は健康という礎の上に成立する。先ずは、胴回りに纏わりついた脂肪をそぎ落とし、衰えを見え始めた体に喝を入れる。

8.戦いの鎧を脱ぎさる。
お洒落で心地よい色気ある男であり続ける。いい姿勢、いい歩き姿の美しいセクシーな身体作りをとことんやってみる。

9.群れから離れる。
断固として、群れない。だが、気ままに集合離散ができる新しいコミュニテーを組み立て、その仲間からの旅、酒食、ゴルフの誘いにはホイホイと乗る。

10.古いライフスタイルを脱ぎ捨てる。
何をしない、何をしても良い。そんな戦いの時とは全く違った時間が流れる生活を手に入れた。とことん、自分好みのライフ・スタイルを作り上げる。

冬眠を終えれば、ようやく、戦いの生活でついた垢落としを終える。これから続く時間を自分のものに仕上げ、幸せな “日日是幸日”が始まるのである。

コメントはこちらから

コメントの表示が遅くなる場合がございます。