一旅01。車一人旅。

また、車を走らせている。

昨夜、京都で一泊し、朝早く舞鶴に向かった。京都縦貫自動車道で100km、小一時間の道のりである。舞鶴海鮮市場で遅めの朝食を名物の雑魚飯で済ませる。

目指すは日本海沿いの街々、今回の旅の始まりである。急ぐ旅ではない。ざっくりとしか予定しか決めていない、いつもの旅である。

幾度となく立ち止まり横道に逸れ、海沿いの街道を丁寧に走らせる。曲がるごとに海が見え隠れする道を、この6時間走ってる。

突然、山かげから海に沈む真っ赤な夕日が目に飛び込んできた。
“あぁ、今日の宿は、あの海の見える港にしよう”
と声に出していた。

それから10分、20件ほどの家のかたまりがある漁村を走り通り抜けと、その先に夕陽に照らされた海が突然目に入ってきた。今宵の宿を、その海岸沿いを少し山側に入った所に見つけた。

予約もせずに飛び込んだ宿、頼み込んで寝床だけはようやく確保できた。夕食はさすがにこの時間、用意出来ないとつれない。ただ、地元の人たちが集まる寿司屋があると、教えられ出かけることにした。

5人も座ればいっぱいのカウンターと4人掛けのテーブルが一つの店。カウンターに2人の年の頃50代の漁師風の男が飲んでいる。

親父さんに、言われるまま地元の海で獲れた白身の魚を肴に、地酒で一人酒をしていると、

  ”カワハギが、うまいよ。”
  “何処から来たのか?”
  “これからどこに行くのか?” 

旅先でのいつもの会話が始まった。

やがて親父も女将さんも加わり、今宵も3時間を優に超える笑顔と笑い声の賑やかな晩飯となった。郷にはいる。自然な地元との出会いをとことん楽しむのである。

私の旅は、いつも地元の人がからむ幸せがある。

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