この夏の旅で、アムステルダムに数日滞在した。

この旅、ロンドン中央駅セント・パンクラス駅を出発点と定め、英国大陸を10日間かけ車で走ることを狙いとした旅。
この街、アムステルダムは、 “鉄道ユーロスターでドーバー海峡をヨーロッパから渡り、ロンドンに至る”ための出発駅。途中下車したモスクワの次、2番目の街である。
空港から一駅、今、大改装終えたばかりの東京駅が,そのモデルとしたアムステルダム中央駅。その広場の様子が一変、多くの旅行客に囲まれた大道芸人で溢れていた駅前広場が、陥没して大きな水たまりになっている。
どうやら、このアムステルダムも大改造中にあるようだ。いろいろな議論を呼んだ末、ようやく大規模の改装を終えたアムステルダム国立美術館は、大変身の先触れ、先兵だったようだ。
驚くことに、今回アムステルダム立ち寄りの眼目であった、修復を終えたアムステルダム国立美術館でのレンブランド“夜警”、それ自体も、ごらん通りの大修復の状態であった。

そんな目でこの街を観ると、歩行者と自転車の通る道の舗装の色と舗装材がかえてある。明らかに、その動線ごとに明快にゾーン分けがされている。
この街、アムステルダムは歴史を背負った古い街並みの都。
それに沿い走る、それほど広いとは言えない街路には、溢れほどの観光客と、自転車、車、そうしてトラムが交差して走る。
老朽化と斬新化のサークルの宿命を背負った古都、アムステルダム。どんな未来の街並み、景観イメージを見据えて、観光都市として持続可能な街並み作りを目指しているのだろうか。
そうした混乱と騒音の中で、安らぎのひと時を過ごせたのが、運河添えの街並みに紛れてひっそりとある、私たちの定宿 “ピューリッツァー”での一時である。
人混みも騒音も消え,小鳥のさえずりと花に満ちた中庭での心静か穏やかなティータイムである。
この旅は、期さずして、古都、アムステルダムの大変貌の片鱗に触れる機会に恵まれた。こんな出会いこそが、旅の醍醐味であり、旅の豊かな実感を体の隅々まで行き渡らせてくれるのである。
変貌を遂げ完成したその姿を見に、また、この大好きな街を訪れる楽しみができた幸せな旅となったのである。
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