6人の知人を得れば、世界の人たち全員と繋がる。
そんなことを、実際やってのける事が可能な時代。こんな話をご存知でしょうか。この話は“ソーシャル物理学”アレックス•ベンランド著に出てい“レッドバルーン・チャレンジ”の話である。
勝利者5万ドルのレース。
限られた時間で、アメリカ全土に隠された10個のレッドバルーン探し出す。
賞金を獲得したチームがとった手法は、賞金全部をインセンティブに充、インターネットとソーシャルネットワークを世界的規模の組織を作り出し、数時間で10個のバルーンを見つけ出し、見事に優勝した。
彼らのチームが直接最初に連絡者、5000人。その参加者自身が各自一人が平均400人の友人や知人に協力を依頼、数時間で200万人が風船探しに参加したのである。
さて、この一景は、この夏の旅で立ち寄った街、マンチェスターでのもの。
この二人、笑顔の絶えない楽しい友との夕食、数杯のビールも入った夕べにこの二人以外の姿の見えない何人もの仲間が、スマホを通じて、この席に参加している。
この風景、そう言えば、この頃、よく見かけるようになった。
レストランでの家族の夕食、意外にも、恋人との食事でも、同伴した相手との会話に心は向かわずスマホに向かい、姿を見せない人たちとのつながりに、関心を向けている人達がいる。
美味しい食事に十分には心が向かず、親子、恋人との大切な会話すらも途切れさせ、スマホを真ん中に据えた食事となっているのである。
何故、こんなことが起こっているか。
何どきにもバーチャル世界と“繋がらない”と寂しいなのだろうか。今、騒がしい、SNS上での疑似ストカー行動。
インスタへの“良いね”ボタンを押すのに忙しいのか。それとも、瞬時に反応したがるフォロアーの習性か。
今、この世の皆が “ハーメルンの笛吹き男についていく子供達”と同じになってしまったのだろうか。仲間はずれが怖く、瞬時に繋がねば、落ち着かないのだろうか。
だが、どうも、そうして繋がった友だち、知人の数が多ければいいということでもなさそうだ。
“人生の幸せと関係するのは15人の本当に仲がいい友だちと、最大で5人までの親友だけだ”という調査研究がある。
それに、“人と繋がれば繋がるほど幸せから遠ざかる”という研究結果すらもある。
SNS上での言葉、映像によるコミュニケーションを重視し、私の若い時代では当たり前であった、笑顔とか肉体的な触れ合いを無くし、恋人とか家族との関係をダメにしている。
いまの40代が65歳定年を迎える頃、男性の3人に1人、女性の4人に1人が独身者になる、圧倒的な独身社会者が到来するという。
こんな現実が、なんとなく分かつてしまう寂さがある。
人と人を繋げ心と心が触れ合うのは、話の内容でなく、ともに過ごす時間の多寡である。そうして、二人で出会う美しい風景に一緒に感動する時間なのではないだろうか。
One for All、All for One。
そんな仲間たちの固い絆が勝利導く、ラグビーの熱い戦いを観戦しながら、この一景を思い出しての一文である。
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