一幸25。消える店。

私の思い出が消えていった。

あぁ、と思わず声を出していた。また、一つ消えていくのである。2年後に迫ったオリンピックを契機に、大きな変貌を再度遂げようとしている都心での出来事である。

今朝、早足での散歩していた折、控えめながらはっきりと閉店の通知ビラにドアに貼っているのを見てしまったのである。

ピザの何かを教わり,この歳なった今も月一度は食べているピザを日本で初め1954年に紹介したニコラスが3月31日をもつて閉店なのである。

悲しいものがある。

そう言えば、これも日本にハンバーガーを初めて紹介した、あの“ザ・ハンバーガー・イン”も姿を消している。

マック上陸の21年前の1950年に開店。ステーブ・ジョブスが愛した和菓子の青野本総舗店六本木の横にあり、その大きさと美味しさを口いっぱいにして、驚き感激していたのを今もよく覚えている。

そうなると、ステーキハウスが消えた話もしなければならない。

当時、アメリカかぶれの男達が押しかけていたステーキハウス。部位と大きさがオンスで注文できた炭焼きのステーキハウスのChaco六本木店も閉店しているのである。

大人への入り口で、海の先にある国を強烈に意識し、少し気張っていた時代の思い出の店の話である。

良きアメリカを噛み締められた憧れだった店々も、急激な変貌の勢いについていけない、小さな幸せが姿を消していく。

コメントはこちらから

コメントの表示が遅くなる場合がございます。