この夢は、どうやら体がなまった時に頻発する。
体を動かすことが少ない日々が続いた昨夜、馴染みのあの散歩道を歩いていた。家並みが途切れたところから、急な斜面に沿って先の丘陵に伸びる小径を、早朝、真っ赤な朝日を背に浴びながら歩いていた。
人気の全くないその道は、両側に目線を邪魔しない背の低い雑木林が続き、その先の小高い丘には立派な山門がある古刹に導く小道である。
決まって、ここまではいつもと同じであるが、その先には幾つかの違った散歩道がある。だが、昨夜は、未だ、夢に現れたことない新しい散歩をしでかしていた。
その山門をくぐり本堂の脇から庫裏に抜け裏山に入る小道にいたのだ。
かすかに聞こえる修行僧たちの読経に押されて、積もった落ち葉で埋まった小道を通って裏山越えをやっていた。その道は、雑木林の潜るように長い一本の細い道が通っており、数百メートル進んだあたりから小高い丘へ向かうに出ている。
何と驚いたことに,懐かしい町並みが見え始めていた。
街の様子はぼんやりと溶解して思い出せないが、確かに、その街の一角に深い記憶の中にある、我が家があるではなか。
夢の中の散歩、何をしでかすか分からない。
なんの脈絡のない。驚きの幸せな夢であった。
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