一旅10。スターバックスの聖地。

2度目のシアトル訪問。

まだ、スターバックスが日本に進出していない時代に、スターバックスの創業地シアトルに、それもわざわざ厳冬の季節に訪れたことがあった。

ビジネスも順調になり,仕事は山済みながらもなんとなく退屈感が漂う日々が続いていたある夜。仕事仲間たちと久々に杯を囲んだ。

その折、話が飛びに飛びシアトル行きが決まった。その地の冬の厳しい寒さ、長い夜の寂しさに身を置き、その地のレストランビジネスのチャンスを確認にするための旅である。

私たちが逗留した高層ホテルの上層階の部屋が、一晩中厳しい風に煽られ、軽い揺れと不気味にきしむ音に悩まされた。それほどの厳しい風が吹く、厳冬のシーズンでのシアトルへの旅であった。

その暗黒の夜、一人家に居るにはあまりにも寂しい。

その寒さと暗渠の憂鬱さから逃げ出すには、人声のする場所に身を置き、人肌に触れ合い酒に走るしか、冬を乗り越えことが叶わない。

そこに、大きなチャンスがあると確信して、この地でのレストランビジネスを5人の仲間と創業する計らいでの旅であった。まだまだ、色々と関心と意欲のあった時代の話である。

早朝、レストランには欠かせない漁獲類の確認のため、魚市場パイク・プレス・マーケットに訪れた。

その折、噂に聞くスタバの一号店を見つけたが、当然立ち寄ることもなかった。かすかに、その記憶が頭の片隅に残っているほどの関心しかない時での話である。

この夏再度、その地シアトルを再度訪れることになった。

ロッキー山脈の山麓を車で,また強歩で周遊する旅の基地としてこのシアトルを選び、アメリカで住む二人の息子たち夫婦とで落合い2、3日逗留した。

前回は見逃したが、だが、このシアトルを基地として選んだ主たる理由が1971年創業のスターバックスの1号店、スタバ愛好家の聖地を訪れることでもあった。

だが、朝のコーヒーをと思い、面倒がる家族を引き連れての訪問であったが、早朝にもかかわらず既に長い行列。入店を諦めざるを得ないほどの混雑ぶりであった。

店内に漂ういつものコーヒーの薫りを胸に染みこまし、そっとテーブルに手を触れることで後にした。

スターバックスのある幸せな朝を感謝してのお礼参りであった。

今回、シアトルで訪れたどのレストランも、夏の季節だが、長蛇の列、予約もままならないほどの繁盛ぶりであったことを言い添えておく。

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