実行されない発想は妄想だが、さて!
ホテル住まいを始めた友人がいる。その友人は引退を機にホテル住まいを始めた。それも、海外に行くのに便利、近くに良きゴルフ場があるとの理由だけで、成田空港近くのホテルを選んで住まい始めた。
三ヶ月単位に日本とバリを交互に往き来しての生活を選んだのだ。
確か、イタリア住まいが長い女性作家塩野七生がとある対談で、引退後はホテル住まいを選ぶと言っていた。
ホテルでは一歩部屋を出ると公共の場、身だしなみを
きちっとしなければならず、だらしなくなりがちな生活
に活が入り、ボケ防止にも良い。
というのを、その理由の一つにあげていた。
当然、その友人がホテル住まいを選んだ理由は、それとは程遠く,掃除・洗濯などの日常の些事から完全に解放され、しかもサウナ・プール・ジムが使い放題、そして少々の衣類や書籍などは預かってくる上に、駐車料金もかからないというものだ。
言って見れば、30人近いサービスマンが快い環境を毎日用意してくれる。王様の生活を選択したということになる。
確かに,その通りである。見事なシンプルライフの実現である。この選択は,何十年に亘り溜まったお荷物を、
“旅するがごとく一つのバグに詰める”
という,おいそれとは凡人には出来ない、大変な決断・断捨離が可能な人のみが出来る生き様。が前提となる。誠に実に見事である。
私は、この何ヶ月か、ことあるごとに部屋いっぱいに溢れ出た我が荷物を眺め、嘆息する。あれこれと溜め込んだ人生の荷物を横目で睨み、この混乱する雑多な荷物を”旅するがごとくに、一つに鞄に収める”を、夢見る。
幸せに向かっての夢である。
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