一幸46。眠れぬ夜を待つようになった。

苦痛な不眠の夜が消えた。

この歳になると寝つきが悪くなる夜が増える。倒れるように寝床に入る。寝落ちた日々が懐かしい。

あぁ、今夜はダメだぁ〜と思えるそんな夜のために、取って置きの幸せを今、用意している。

この企みは、第22世西本願寺法主大谷光端の実弟、大谷光明が、西本願寺の広大な庭にある”百華園”に面した芝生のに、西本願寺カントリークラブ”9ホールパー27の隠れゴルフコースを持っているとの記事を目にした時に始まる。

ゴルフ好きは周知のことだが、大谷光明は1922年の日本アマであり、東京ゴルフ倶楽部、川奈ゴルフ大島コース、名古屋和合コースなどの名門コースを設計するなど、日本のゴルフ黎明期に活躍した特出したゴルファーである。

寺院にそんな大胆な企みをしでかした大谷光明の遊び心に惹かれて、その事実を確かめるべく京都に数度ならず車を飛ばした。さすがに、表玄関から拝見つかまりたいとは行かず,人目の途切れる夕刻、裏屏の破れ目からこつそりと覗きを企て、その気配を感じるのが精一杯であつた。

さて、私の不眠時の幸せな企みとは、眠りがやってくるまで、頭の中で理想とするゴルフコースを作りを上げることである。

制約のない場所選定、無限の資金,潤沢な時間とこれほど恵まれた条件下でのゴルフ場作り,大谷光明も羨む好条件下でのゴルフ場作りである。

今、パー3ホールのバンカーの配置と形状をあれこれと“弄っている”ところである。これでは悩みすぎ。眠れぬ日々が続くことになる。薮鉢取らず、である。

だが、今までは苦痛であったこの不毛の不眠の時間を幸せの時間とするのに成功したのである。

不眠の夜を待ち望む幸せである。

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