一景16。冬まぢか。

時には、ぶらりと下町に出かけるのも良い。

今もまだ下町情緒ただよう町並みを残す深川あたりが、お薦めだ。昨日、その深川に出かけた。その折、立ち寄った清澄公園で見かけた木々の冬支度。

雪吊りこも巻きである。

木の幹に藁を巻き、藁縄をはるだけの仕掛けが、雪と虫から樹木をしっかり守る、古くからの知恵と工夫だ。

そう言えば、壮大な冬のドラマ、金沢兼六園の唐崎松の“雪吊”がある。支柱14mの枝を吊るす縄が800本、延べ500人が一ヶ月かけて作業を進めるとか。

それに、滋賀県彦根城の最高樹齢300年といういろは松100本の2mの“こも巻”も忘れるわけにはいかない。

毎年、繰り返しされる日本の冬の風物詩。厳しい冬も、穏やかなものにしている日本の冬風景である。

そんな日本に住む幸せをしみじみと感じる、久ぶりの深川散策であつた。

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