いよいよ、時が我が命を食らい尽くし終えそうである。
ものの本によれば、メラニンの増減、蒙古斑と白髪の間が人の一生らしい。いよいよ、我が肌にシミが滲み出し、頭は白髪に覆われ始めた。
だが、私は健気にも、この歳の老いは、まだ選択できると少し楽観的に構えることにしている。
七色が反射すると白色に、吸収すると黒色になる。

時の流れに体を率直に任し、時間という色を全て取り入れ黒色になるも良い。だが、時には、全ての色にご退場願って白色になってみるも良いと、そう思うことにしている。
アランも“幸福論”で言っているではないか。
“悲観主義は気分によるもの。楽観主義は意志によるもの”
心の有り様次第で、歳すらも自在になるのだ。
心をしつかり働かせ、姿勢、語り口、表情と、見てくれを正しく繕えば、歳などは、綺麗さっぱり消え去り、成熟した人間としての美しさが、体を装い始める。

白色とはいかないが、透明色になれるのである。決して、若返りではない。心に、体を決めさせる。歳を自在に操り、見事に歳を消しさるのである。
時に応じて、実歳と望む歳の間を行き来する。
これが、この歳になって幸せに過ごすための秘訣と、タイムトリップを時に楽しんでいる。
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