一景17。外苑のイチョウ並み樹

夏は春の、そうして秋は冬の先駆けである。

気づけば、その秋が終わっていた。いやに多い落ち葉が、 冬がいよいよ到来だと教えてくれる。

冷たい風が頬を打つ。落ち葉の舞う姿が忙しくなっている。先週までは、足にまつわりついていた落ち葉が、今朝は我先とさっさと去っていく。

ほんの2、3日前までは、朝日に映えキラキラしていた彩豊かな葉桜が、目に飛び込んで来ていたのだが、 今朝は透けて寒空が見える。

盛りの秋を見落としたのかとそんな気がし、今朝の散歩の行き先をかえてみた。外苑のイチョウ並木が一気に紅葉している様に秋を見つけに、遠出したのである。この様を見なければ、盛りの秋は来年まで待たねばならない。

意外にも、紅葉の盛りに間に合った。ここで秋を確かめ、楽しみしている多くの人たちに、観られ褒められる、それが励みになり、どうやら踏ん張ってくれいたのだ。

外苑の銀杏並木。

都心に住まいを持つものたちが、自然の移ろいを目で観てとれる、無くてはならない幸せな銀杏並み樹なのである。

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