一旅16。驚きの出会いが、私の旅では必ずある。

常に旅の途中に起こる。

私の旅は、とんでもないことに出喰わす。そんな出会いが重なり、私の旅はますます気ままな車一人旅になり、旅の計画が熟考からほど遠いゆるいものにとなる。

下北半島を一回りして八戸から十和湖に至る街道で、不思議な標識を見て、慌てて車を急停車させた。

イエス・キリストの墓とあるではないか。

思わず、慎重に回りを見渡した。やはり、ここは日本。最北の国、青森である。俄然面白くなった。これだから、旅は辞められない。

ゴルゴダの丘で処刑されたはずのイエス・キリストの墓である。イエスは密かに逃れてきてこの地で生涯を終えたとの伝説に基づく墓。キリストの遺書が発見された、考古学者の著書にその記述があると賑やかな物語がそれを支えているのである。

それに、在日イスラエル大使館の参拝の印もある。確かな不思議さである。真偽不明のことながら、思わず笑みが溢れる見所である。

こうなると、もう一つ墓の話を添えなければならない。

奥州三関所の一つ、奥州の玄関口白河の関を訪ね、会津に向かう白河小峰城近辺で、やはり道路標識に小原庄助の墓を見つけ驚き、また、楽しい道草をやってのけた。

あぁ、旅はroad tripそれも気ままな車一人旅に限る。

朝寝朝酒朝湯が大好きの庄助さんの墓が実在するのである。その墓石が妙にそれらしい。 

  墓石の形 徳利・盃のイメージ 
戒名 米汁呑了信士 
辞世の句 朝によし 昼なほよし晩によし、飯前飯後、
その間もよし
酒好きにとっての聖地、一度は足を運ぶべし。

かように、私の旅は驚きと微笑が思わず漏れる幸せに満ちたものに仕上がるのである。

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