今は連絡が途絶えたが、四国、高知出身の友がいた。
ある時、高知で落ち合い彼の酒税局役人の親父さんと座敷を一緒したことがある。箸剣の座敷遊びと鰹のタタキの大皿料理は当然の成り行きだが,その折、辛酒で名高い、船中八策に出会った。その見事さには感激したものだ。
石鎚山に水源を持つ仁淀川の支流、柳瀬川の麓に構える酒蔵、司牡丹酒造のものである。世には四万十川が最後の清流ともてはやされているが、地元では、柳瀬川こそ、透明度日本一と胸を張る。
昨夜、友と一緒した居酒屋で久々に船中八策に出会わした。
やはりここは、未だ、その地を訪れてない酒蔵をたずねるべしと、咄嗟に思い,酔いながらの帰途中、ほぼ,旅計画を仕上げた。
高知にはゴルフを兼ねた旅を含め何度か車を走らせたことがある。その高知には三通りの旅道がある。
一つは、明石から淡路島を縦断して鳴門ああ渦を渡り徳島から吉野川沿いに走らせ、大歩危小歩危渓谷を至て高知に入る。または、徳島から海沿いを丁寧に辿って至る。
そうして三つ目は、私のお気に入りの道、尾道からしまなみ海道能勢との大橋を渡り、松山から海沿いを走らせ高知に至る道である。今回は、行きを明石より瀬戸の大橋を渡り、海沿いの道をとった。
菩薩の化身明星金星が口から体内に迎える現象を得た空海が修行した洞窟がある室戸岬から入城である。
今度の車一人旅は、帯屋町町の台所ひろめ市場とは外せないが、司牡丹酒造のその地を訪れ、蔵元で原酒を入手し、その清流で取れた鰻と一杯といく旅である。
帰途は、平家落人の隠れ里祖谷の幾度かお世話になった渓流面した温泉宿にて、再度、船中八策を湯船で一杯の旅とする。
船中八策浸けの幸せな旅の企みである。
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