一幸76。スコーン。

香港がまだ香港であった時代。

その魅力に誘われビズネスにかこつけては、よく香港を訪ねていた。その折、何度となくザ・ペニシュラ香港を宿にしたことを思い出す。

ホテルが差し向けるペニシュラグリーンのロールスロイス・ファントムでホテルに向かう。そんな贅沢を味わったものである。このホテル、創業1928年と良き時代の面影を残す老舗のホテル。

数ある魅力の一つに、二階まで吹き抜けになっている、1階のザ・ロビーで供される完璧な英国スタルのアフターヌーンティーがある。
見事に盛り付けられた、スイーツ・サンドイッチ・スコーンを本場の紅茶で楽しむ。

女房殿が滞在するごとに、アフタヌーンティーをするのも頷ける美味しさであった。

そんなひと時を、先日30数年ぶりに訪れた奥日光、中禅寺湖を臨む旧英国大使館別荘のテラスで思い出した。

この別荘、明治の時代に女一人東北を旅し、その紀行(日本奥地紀行)にまとめたイサベラ・バードとも親交のあった、明治29年(1869年)に駐日英国公使であったアーネスト・サトウの個人別荘である。

今は観光施設として公開されており、中禅寺湖を望むその二階のカフェでは、本格的なアフターヌーンティーが楽しめる。

日本で初めて本格的なホテルを建てた金谷ホテルが運営を任されており、そこで提供されているスコーンもどうやら金谷ホテルで作られているようである。

きっと、仕上げにやさしく牛乳が塗られているに違い、いい艶を出しているプレーンスコーン、それにジャムとクロデッドkyクリームが添えられた本格的なものであった。

良き思い出の残る香港と、つながる幸せなひと時を過ごさせてくれた。

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