一旅22。旅先の昼食。

日常のきまりごとが、旅先では、それぞれ違った顔を見せる。

未だ見ぬ地、同じ時間だが全く違った時の流れをしている。そんな時間、そんな瞬間を求め楽しむのが私の旅である。

特に、全く違う姿を見せるのが昼である。
   “Perfect way to pass the afternoon!”

マレー半島に先端に栄える近代都市シンガポール。
ヘミングウエイの定宿ラッフルズホテルの午後。
彼が滞在時、多くの過ごしたバーロング・バーで、サンドイッチ軽くつまんだ後、彼を真似て“Death in the afternoon”を、ピーナツの殻を床に撒き散らしながら軽く飲む。昼間のアルコールは酔いが早い。

心地よい酔いの体を引きずり、豊かな緑に覆われたプールサイドに向かう。冷えた水と夏毛布を頼み、日陰からのひんやりした風を受けながら、南洋の地の午睡、一寝入り。

スェーデン、ストックホルム。
旅の楽しみに宿選びがある。
今回、選んだホテルはノーベル賞受賞者も泊まるグランドホテル・ストックホルム。
海に面したテラス席は、程よい人通りのある道に向き合っている。

早朝からの町歩きに疲れ、早めのランチを、そのテラスでとった。食後のスイーツとして、コーヒーと抜群に合う国民的スイーツ、セラムを口にした。

モロッコ、マラケシュ。

城壁に囲まれた中世のメディナに中世の面影を色濃く残す、迷路のごときスークは、ジャマ・エルフナ広場の後背に広がつている。

モロッコに魅せられ棲み着いた多くのミュージシャンたちが,たむろした一軒のティールームが、そのスークの入り口にある。

アトラス山脈が望めるその2階のテラスで、モロカン・ミントティーをモロカン・クッキー、ムスンメンをお供に飲む。
気だるさが全身を襲う夏日の強い午後である。

こんな思い出を作る旅の午後、旅ほど素晴らしく幸せにしてくれるものはないのである。

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