旅先での夜は、特別である。
大げさに言えば、“何事も終わりかた一つで喜びや悲しみを記憶する”。旅も、その一日の締めのディナーでその街の思い出が違ったものになる。
そんな夜を求めて夜の街を彷徨する。
“Perfect way to end the day!”。
エジブト、カイロ。

中東の夜は長い。22時を回っても路上で遊ぶ子供達で溢れている。そうなると、我が子供達も旅先の気ままさも加わり、どうしても、夜の食事が遅くなる。
そんな深夜にたどり着いたJW Steakhouse Cairo 。我が家族だけかと店内を見回すと、こんな夜中にステーキハウスが開いているにも驚いたが、ちらほらと客の姿が見てとれる。
その中の一組に、若いカップルがいた。なんと、夜中のデイトディナーがステーキである。大人の国の幸せな深夜のディナー風景である。
タイ、ホアヒン。

植民地時代の色合いが色濃く残るコロニアルスタイルのホテル、ソフィテル センタラ グランド リゾート。部屋のバルコニーから自然光が部屋いっぱいに降り注ぎ、風通しも良い。
そのホテルには味わい深いbarがある。
重厚なソファが似合う薄暗い店内は、クラシカルな雰囲気を漂わせている。若い女性シンガーが、老練のピアニストの演奏をバックに気だるい歌声を静かに聞かせる。
数杯、杯を重ね酔った身で,優しい夜風を舞う庭を抜け、ゴルフに疲れた身をベッドに投げ出し眠りにつく。
ハワイ、ホノルル。

賑合うワイキキビーチから10分ほど、ダイヤモンドヘッドの麓に, 我が家族がホノルル滞在する折に、決まって利用するジムにはプライベートビーチがある。
そのビーチをつたって入れる小さな洒落たフレンチレストラン,ミッシェル。沈む夕陽が眩しいほどにいっぱいに注ぎ込む。
我らが訪れたその日、ちょうどカリフォニアの著名なワイナリーのオーナーが訪れワイン試飲会兼ねた特別ディナー招待日であった。見事な夕陽と予想をはるかに超えたワインに出会えた、思い出深いディナーとなった。
断然と「!」マークが踊るデイナータイムである。
こう時を求めての旅なのである。
幸せな夜との出会いを願い、旅の計画に念入りな時間を過ごす。
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