日本での1年は、除夜の鐘音で終える。
悪い思い出を消し去り、新しい年を迎えさせてくれる鐘の音である。
グダグダとは後を引きずらず、さっさと切りをつけさせてくれる。そんな計らいの鐘の音である。
だが、名残惜しさ無念さもない、除夜の鐘が要らない幸せな終わり方こそが良い。
日常の節々で私を幸せにしてくれている、クライマックスのある終わり方に想いを馳せてみた。
*ステーキの最後の一切れを、芳醇なワインと共に喉に放り
込み終える夕食の終わり方。
*90度を超えるサウナで思い切り温めた体で18度の冷水
風呂に飛び込み、火照った体を一気に冷すサウナの終わり方。
*睡魔が襲い我慢がきかなく寝込む映画鑑賞の終わり方。
*肴も酒もほどほどで済み、盛り蕎麦で〆る蕎麦屋の終わり方。*巡り合わせがよく、最後の一枚を食べられた焼肉屋での終わ
り方。
*地平線に夕陽が沈む寸前に、宿のテラスに辿り着くその日
の旅の終わり方。
*夕陽の陽射が忍び込む浴場でのゴルフの一日の終わり方。
*最後の握りを小アジで〆る寿司屋での終わり方。
*ほどよい酔いに身を任せ、友との再会を誓い別れる夜の
終わり方。
終わり良ければ、 “すべて良し”、である。
さて、である。
我が命を時がくらい始めた。
そろそろ人生の落とし所、引き際を考えなくてはならないようだ。
皆さんは、長寿祝いの打ち止めをどこと定めていますか。
古希70 喜寿77 傘寿80 米寿88 卒寿90
白寿99。
それとも、100を少し超えてみますか。だが、求めすぎてはダメである。
こんな戒めがあります。
一番美味しいワインが一番すっぱい酢になる
The sweetest wine makes the sharpest vinegar.
終わり方次第で、あなたの思い出も変わる。
老害の醜さを晒さず、良い思い出だけを残し欲しまれ、早々に去るのが良いようである。
有終の美を飾る。
そんな幸せな一生の終わり方を、そろそろ考えてみる必要があるようである。
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