一皿37。清水港の鮨。

今朝、少し離れたスタバに走らせていた車のフロントガラスから、冠雪の富士が目に飛び込んできた。

そう言えば、200km先の東名の清水SAに、富士山と富士川を眺められるスタバがある。それに、清水と甲府とを結ぶ中部横断自動車道が完成したようだし、冠雪の富士山を眺めながらの富士山一周も悪くない。

そんな思いが頭を横切り、東名を一気に走らせた。

だが、少し遅すぎたようである。冠雪の頂が雲影に隠れていた。雲に隠れた富士山を、富士川越にぼんやりと眺めながら、小一時間、いつもの朝と同じようにコーヒーをスタバで楽しむ。

さて、腹ごしらえして、富士山一周である。

清水は港町、旨い魚をとネットで検索すると、評判の寿司屋、末廣鮨が目に入ってきた。

予約無しでは、席など取れるはずがない店。
だが、ラッシュのランチタイムまでには少し間がある。
ダメ元と、予約を取り付けずに暖簾をくぐった。

覗いた先に、見事な盛り沢山のネタのケースと、カウンター向こうの大将が目に入ってきた。

何と、その大将と目が合うと「どうぞ」と大将が手招きし、彼の前のカウンター席を示した。
知らない街、それも初めての店で気の合う料理人と出会ったようだ。

当然、大将任せてのものになる。

まず、マグロの中トロが、おや、2巻出された。
それも、シャリが大きい。が、さすがに旨い。

次に、天然ヒラメが1巻。安心。
肉厚にスライスされており、柚子塩の風味と相まって、旨い。
やはり、シャリが少し多い、口に余り崩れる。

お任せである。オヤジのやり方に従う。
小ぶりの車海老、肉太のイカ、赤貝と続き、6握りほどで止め。

ここで、初めて、鯵とコハダを、シャリを少なめにと頼む。
締めは、たまごとした。

思わず笑顔になる。久しぶりの旨さ。
評判が高いのもうなずける。

だが、やけに早いテンポ、のんびりと味合うというタイミングもない早さ。
食べ始めて20分で、“あがり”が来るスピードである。

だが、思わず笑顔になるほどのうまさ。

次回は日本平ホテルを宿にして、しっかりと予約のうえ清水港が夕陽に染まる時、酒のお供に摘んでみよう。

一度ならずとも遠出したくなる見事な鮨である。

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