一皿40。ミモレット。

ミモレットは、私の食卓には欠かせないチーズ。

台湾を訪れた折、お土産にと、この地の名産カラスミを頂いたことがある。ボラの卵巣を塩漬けし、天日で干し乾燥させ熟成させた濃厚な味わい。

我が食卓のミモレットは、そのカラスミに似て色合いが深い色。
その熟成度で違いが出て、マイルドな味わいから、バターやナッツ、ドライフルーツなどの風味と、さまざまな味が楽しめる。

私が重宝しているのは、ドライなシャルドネとの相性が良い、ヴィエイユ“老成”の呼称で呼ばれる熟成、18ヶ月のもの。
その濃厚さと甘味が程よく、歯触りも”仏語ミ・モレ“と、その由来通り、半分柔らかと私の好みである。

熟成が2年と進むエクストラ・ヴィエイユは、“過剰老”と呼称されカラスミと同様な風味となり、ボディがしっかりとした赤ワインが欲しくなる。

人の舌が、旨味として捉えて“おいしさ”を感じる、あのアミノ酸の旨味は、熟成させてこそ得られる。

肉もやはり、熟成したものがおいしい。

ちょっと気の利いたステーキハウスでは、温度管理をしっかりした肉専用の貯蔵庫でドライエイジングさせ、旨みを引き出している。

だが、熟成と腐敗は紙一重。
熟成が過ぎると、アミノ酸を通り越して腐敗し、元も子も無くなる。

我ら人も腐る。
我らの歳が、どうやら、エクストラ・ヴィエイユ“過剰老”。
熟成と腐敗の境目の一歩手前で踏ん張っている年である。

蛇足ながら、そろそろ、我が食卓に加えないといけないチーズがある。

表面を覆う白カビに覆われたカマンメベール。
このカビには、アルツハイマー認知症の源因になるアミロイドβを減少させる作用があるとか。

ますます、あれこれと増えるチーズで賑やかさを増す我が食卓。

白や赤とワインも増え、今宵も、微酔を少々超え熟酔、良い一日に仕上げっている。

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