一皿45。旅先での朝めし。

引退後、朝食を摂っていない。
朝は、スタバのコーヒーで済ます。

だが、旅先では何故か、未だ明けやらぬ街で朝を求めてウロウロする。私の車一人旅では、日本旅館とかシティーホテルに泊まることがない。

旅館の朝は、盛り沢山の皿がお膳に並び、シティーホテルも豪華なビュフェと過剰な朝が待っている。

こんな朝を避けて、ビジネスホテルを常し、朝を求めて、街を彷徨する。
例え、金沢の近江町市場とか瀬戸内の港町で朝を迎えても、間違っても、魚がお供の朝とはならない。

私が求めるのは、トースト、ベーコン添え目玉焼き、そうして紅茶の、お決まりの朝である。

先ず、飲み物は、ティーでなければならない。
コーヒーでは、目覚めが余りにもすっきりとしてしまう。

そのティーも、熱いミルクを注がれたアーリー・モーニング・ティー(Early Morning Tea)がほしい。

このティー、目覚めを穏やかに、目覚めをゆっくりの朝にしてくれる、そんなフェインの量。英国紳士淑女がベッドの中で楽しむベッド・ティーである。

さて、トーストは、3cm近くの厚さの小ぶりの、十時に切り目を入れてある。バターをたっぷり塗り込み、溶け終わらないバターがこんもりと真ん中に残っている、そんなトーストが良い。

トーストは、焼き加減が決め手。

表面を薄すらっと黄金色に焼かれ、中までその余熱が十分に染み入っている。そんな焼きあがった小ぶりのトーストが美味しい。

当然、朝には、卵が必須。

定番の卵料理は、プチトマトとクレソンと焼きを抑えたベーコンが添えられた目玉焼き。塩と胡椒で楽しむ。
だが、目玉焼きの黄身は、そう易々とは皿に崩れては、台無しとなる。

ナイフをそっと入れる。ねっとりとした黄身が皿を汚す。そんな焼き加減の黄身の食感が私の好みである。

それに、白身もつるりとしており、だが、少し、縁はカリッとさせた食感を持たせているが、過剰には、焼き焦されていない。

だが、時には、ベーコンが添えられた絶品のポーチドエッグに出会うこともある。

その卵、ポーチドエッグは、塩と酢の氷水に沈め、余熱を封じ込めている。それを口入れた瞬間、微かなが、塩見を感じる。そんな絶品に出会える朝も良いのである。

春ももう間近、春一番の旅先の朝は、やはり、京都寺町、進々堂での定番の朝になりそうである。

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