興味尽きないアメリカ大陸、また一つ、思い出に残る街を訪ねる機会に恵まれた。
その街、ポートランド。
子育てに優しい街、サステイナブルな街、食の街、おしゃれな街などと、旅心をくすぐる冠がつく街である。
こんな魅惑的な街が、息子が居を構えたSFから、北に1431kmと車でも2日もかければ行け、広さ375km²、人口も65万人と、街歩きを楽しむには程良い規模感の街である。
それらにも増して、私を惹きつけたこの街、コーヒー店の多さが世界トップクラス、それに、世界一大きな書店がある街であることである。
このポートランドは、コーヒー好きの聖地である。
クオリティーの高いコーヒーを提供するコーヒーショップが、40軒を越え、その内、20店以上が4つ星〜5つ星と評価され、コーヒー愛好家たちを惹きつけている。
それに、全米三大コーヒーマガジンFresh Cup, Barista Magazine, Roast Magazineの発行元が所在し、また、世界最高峰のバリスタの競技大会World Barista Championshipの優勝者を輩出させている。
数多くの個性あるコーヒー店がある中で、私が毎朝訪れたコーヒー店は、ホテルから程よい先にあるスタンプタウン・コーヒー(Stumptown Coffee Roasters)1号店。
ポートランドにおいて4店あり、それら店で使う厳選した豆は、少量生産の農家で生育され、その過程が追跡できるトレーサビリティーを保証されたもの。
個性的なストーリーを持っ新鮮な豆を、店舗のロースターで焙煎し、バリスタがその場で一杯ずつコーヒーを淹れている。
また、そうした店以外にも、テイスティングを目的にした店を2店持ち、今はスターバックスに売却され、毎朝、私のコーヒーを淹れている“Clover 1s”焙煎抽出機を使い研究、実験をしている。
正に、コーヒー文化の街。コーヒー好きを惹きつける街である。
さて、もう一つ楽しみしていたのが、ポートランドのランドマーク、世界でもっとも大きい書店“Powell’s City of Books”である。
この本屋、1ブロック丸ごとの3階建ての巨大な書店。その敷地総面積6300平方メートル。
その余りにもの広さ、来店者の迷子対策として、先ず、九色で9部屋を括り、特製の店内マップをも用意されていた。
取扱書籍数が100万冊を超え、その膨大な書籍を、先ず、3500項目別に展示。客を目指す著者棚に誘導し、その棚に、同じタイトルの本を、新刊、古本、ペーパーバック版が一緒に陳列され、客の希望する版型が選べる工夫がされていた。
また、希少本数千冊を集めた鍵つきのレアブック・ルームもあり、本の愛好家には貴重な本屋でもある。
当然のごとく、店内にはコーヒーショップもあり、作家による朗読などのイベント用にパール・ルーム、さらには、子どもむけに読み聞かせるためのパール・ルームをも用意されていた。
滞在中に、2度、訪れたが、その度ごとに、気づくと2、3時間もの時間が過ぎていた。
更に、この街、ポートランドの魅力は、これだけで無い。
「バラの町」(The City of Roses)、「切り株の町」(Stumptown)、「橋の町」(Bridgetown)「リップ・シティ」(Rip City)「小ベイルート」(Little Beirut)「ビアヴァーナ」(Beervana)、「ビールの町」(Beertown)「Pタウン」(P-Town「PDX」などと、多様な愛称で呼ばれる街でもある。
この街は、3泊4日のShortTripではとても味わい切れないない。SFに訪れるごとに、心急かされる街となった。
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