一幸111。懐かしいカフェ。その2。

引退してから朝は、決まってスタバから始まる。
夕暮れに立ち寄る小料理屋と同じように、仕事から退いた私の居場所である。

若い時代にも、意味合いもタイミングも違っているが、珈琲好きが高じて、よく銀座や新宿の喫茶店に出かけていた。

今日、銀座に出た折カフェ・プランタンを見かけ、懐かしさに押されて立ち寄った。

このプランタン、パリで1911年に創業した現存する最古のカフェプロコープがモデル、現存する日本最古の喫茶店。
店の壁には、ジョンレノンとヨーコオノが来店時のショット写真が掲げられていた。


開店当時には、谷崎潤一郎をはじめ多くの文化人たち黒田清輝、森鴎外、永井荷風らも惹きつけた、日本に喫茶文化を花咲かせたカフェでもある。

こうした懐かしい店に出会うと、当時、友と連れ立って事あるごとに、訪ねていた音楽喫茶を探して見たくなった。

何をおいても、先ずはあの銀巴里である。美輪明宏や金子由香利などを多くのシンガーを輩出したシャンソン喫茶。

数多くのブランドショップが占拠し、当時の面影がすっかり消えた銀座。確か、七丁目付近と見当をつけて、ようやく、石碑が立っているのを見つけた。

それに、どうしても外すわけには行かないのが、戸川昌子の大人の遊び場。レズビアン、ホモセクシャルを従業員に採用するなど、そのユニークさで、文化人を惹きつけていた、若い私には過ぎた店、シャンソンバー青い部屋ある。

記憶を辿り、泰明小学校近辺を歩いて見たが、それらしい場所に行き着けないなかった。

そして、どうしても見つけ出したかったのが銀座ABCアシベ。

店の中央に回転ステージを設けたジャズ喫茶。ミッキーカーチス、平尾昌晃、山下敬二郎らがロカビリーをがなりたてていた、日本のライブハウスの先駆けの店。

東京ガス本社ビルの地下にあったその店も、どうやらビルの老朽化で、閉店されていた。

多くの若者を惹きつけた名曲喫茶田園とカ歌声喫茶チューシャ、ともしびと、新宿にも、いろいろ思い出の喫茶店がある。

銀座の比でない大変身の新宿。散歩のついでは、到底行き着けない。しっかり、事前下調べをしての出直しである。

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