仕事から解放され、飽食暖衣の日々となる。
さりとて、家に閉じ籠り人との接触を断つては“ぼろぼろに老い果てる”が急となる。

私の朝はスタバでの通勤前の若者との席争いで始まり、昼にはアスレチックに出かけ弛み始めた体に喝を入れ、日が落ちた宵には馴染みの店のカウンターに座る。
こうした日常にも倦むと、愛車に飛び乗り日本列島を隈なく走らせ、行雲流水の心境を楽しむ。
身を纏うものを、こうした日々に相応しいものに総取り換えた。
先ずは、下着。
さして悩まずに解決した。現役時代の気張りはもう無用、清潔を第一、汚れ痛めば捨てられる気軽な下着、ユニクロで身の下を覆う。

足元を固める。
かの“林望氏の推奨の”ミズノ(MIZUNO)“を、銀座本店で買い求めた。
彼曰く、
“ゴアテックス素材のウォーキングシューズ。雨の日にも良い 防水性と、足の臭いが籠らない通気性、長時間歩いても疲れにくい高反発ソール、内甲側にファスナーが付いており、脱ぎ履きしやすい。大人の運動靴で
ある“。
私は、ちょっとしたディナーでも大丈夫な革バージョンを選択。

ジーンズに挑戦した。
ジーンズと来れば、当然のように3大ブランド、Levi’s、Lee、Wranglerとなる。
だが、私が選んだのは違う。
未練がましく捨てずに残した背広一着を、直しに持ち込んだブランドショップ、ゼニヤで見つけたジーンズ。少し値が張ったが、ここでケチッてはダメと即買い。

さて、もう一つ。
PCや書籍を持って毎朝スタバに通うには、現役時代の手提げ鞄では様にならないと、少し洒落た小ぶりの革製のバックパック、書店で見つけたMOLESKINE。
それに、もう一個。銀座のショーウインドー飾れていた少し値の張る肩架け鞄。

これ、車旅時にも重宝しており、旅行資料を詰め込み助手席に投げ置かれている。
革靴が運動靴に、背広がジーンズと革ジャンとなり、手提げ鞄がバックパックとなる。

引退者に相応しい装いを揃え終えた。
あとは、お気に入りのコロンの香りで身を包むだけである。
コメントはこちらから