学校帰りの子供たちが立ち止まり、輪になり、一斉に笑い声を上げた。その笑い声に驚き、振り向く。思わず笑みが浮かんだ。
春の兆しが見え始めた昨日、家路での事である。
流石に、朝のスタバでは、そんな大笑いは見かけない。だが、今朝、三人組の一人が、何かにつけ引き攣った笑い、“わっヒィわっヒィわぁわぁ”、と作り笑い声を頻発させていた。
こうした営業笑いも大切である。
無理やりに笑う。そうした作り笑いをしている内に、やがて、そんな笑いも、自然にしなやかになり、明るい人との評価を受けるようになる。
先日、上野に散歩に出かけた折、鈴本演芸場に立ち寄った。
私の背後の客が、見事な笑い声を上げていた。その笑い声に釣られるように、いつしか、私も笑いを声に出していた。
落語には、オチ、しぐさ、天然ぼけ、間抜け落ちと、いろいろと笑いが用意されている。客は、今か今かとそうした笑いを待ち受け、それ来たと笑う。
落語の笑いは、そうした聞き手の積極的な関与がいる。
客は、その手に見事に乗り、“あっはっは”と笑いの中に浸る。
私の背後で笑っていたその人は、寄席に通い詰め、笑いを極めた人なのだ。
笑いが、我ら高齢者の日常に大いに必要である。
笑いには、いろいろと効用がある。
アルファ波を増えさ、リラックス効果を高める。さらには、幸福感や、やる気にもスイッチをオンさせてくれる。
さらには、滞おりがちの脳波の流れを良くし、ボケ始めた記憶力、判断力をも元気にさせてくれ、認知症をも防いでくれる。
これからは、徘徊のついでに鈴本演芸場に立ち寄り、笑いの訓練に精を出し、毎日、大いに笑い絶笑して逞しく生き抜く、決意を固めたのである。
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