連日猛暑の日本列島、昨夜、バケツをひっくり返したようなゲリラ豪雨が、我が街を襲った。
その大半は排水溝に流れ込んだが、処理しきれなかった雨は、路面一帯に溢れ出し、水たまりを作った。
激しい風を伴ったこの大雨、散歩道際の庭で咲き誇っていた花々を吹き飛ばし、幹は難を逃げていたが、花を付けていた子枝は折られ傷つき、無惨な姿をさらけ出させていた。
その一方で、この大雨、日頃、目もくれていなかった草花には、恩恵を与えたようだ。
路肩の割れ目に詰まった埃や土が住処の、半ば枯れた雑草には、恵みの雨となり生き返り、芽を一気に吹き始め可憐な花さえ咲かせている。
そうした中で、苦戦を強いられていた向日葵が、枝いっぱい花を開かせた。その大輪の花のまわりには、さっそく、アゲハ蝶が蜜を求め舞い始める。
この難儀を凌いだ力強い “ひまわり”が、ウクライナの国花である。この国旗の青は空を、黄は大地を染める小麦を表している。
その占領された領地で戦いを強いられるウクライナ兵士たち。
彼らは、戦地で咲き誇る向日葵に、懐かしい故郷を思い出してはいないだろうか。
軍事侵攻が始まったころ、こんなニュースが流れた。
ロシア兵と対峙したウクライナの女性が
「あなたが命を落とした時に、その場所から花が咲いて
ほしい。だから、ひまわりの種をポケットに入れなさい」と語りかけたと言う。
雲の間からの太陽の日差しを浴び、路傍に咲き出した向日葵。
その名を生命の源、太陽からその名を頂いた花、英語では“Sunflower”と言う。
大雨のおき土産。
大輪の向日葵が、殺伐とした車道に清々しさを漂わせ始めさせた。
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